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お知らせ 医療情報: 2008年12月アーカイブ
産科医療補償制度について
これから出産を迎える方々には是非知っていてもらいたいお話です。みなさんは『産科医療補償制度』という言葉をお聞きになったことはありますか?
この制度は来年1月1日、つまり5日後よりスタートします。万が一、出産の現場において予期せぬ出来事が起こり、なんらかの理由で障害を抱えた赤ちゃんと、そのご家族のことを考えた新しい補償制度です。その目的として下記の内容が掲げられております。
●(A)分娩に関連して発症した重度脳性麻痺(じゅうどのうせいまひ)の赤ちゃん、及びその家族の経済的負担を速やかに補償します。
●(B)脳性麻痺発症の原因分析を行い、将来の脳性麻痺の予防に資する情報を提供します。
●(A)(B)により紛争の防止・早期解決及び産科医療の質の向上を図ります。
という内容です。
これらは妊婦さんが安心して産科医療を受けられるように、病院や、診療所といった分娩取り扱い機関側が加入する制度で、掛け金は分娩機関が負担します。そのため、分娩機関の負担が増えることもあり、妊娠中のみなさんの分娩費用にその分が上乗せされることが見込まれています。しかし、本制度の発足にあわせ、出産育児一時金が3万円(掛け金相当額)引き上げられたため、実質的にはみなさんの負担が増えることはありません。(出産育児一時金が35万から38万円に上がります)
具体的な補償対象は「出生体重2000g以上かつ妊娠33週以上」または「妊娠28週以上で所定の要件に該当した場合」で、出生した赤ちゃんが身体障害者等級1級、または2級相当の重度脳性麻痺を発症した場合に補償の対象となります。(先天性の要因等については補償の対象外となることがあります)熊本ではほとんどの分娩機関が加入しておりますので、より詳しく聞きたいという方はかかりつけの先生に相談してみると良いでしょう。
(末永産婦人科医院) 2008年12月27日 18:32 | 個別ページ
低用量ピル内服時の注意点
低用量ピル(OC)を正しく服用した場合の避妊率は99.9%といわれていますが、実際のところは95%程度とされています。
その避妊に失敗する5%の最大の原因は「飲み忘れ」によるものです。
正しい服用方法と飲み忘れへの対応
a. 毎日一定の時間に服用する
b. 消退出血が2ヵ月以上こない時には必ず受診する
c. 飲み忘れが24時間以内の場合は、気がついた時点で服用する
d. 飲み忘れが24時間以上たっている場合には、そのシートの服用はやめて次の生理が来るのを待つ。生理を確認後、新しいシートの服用を始める
次に多いのが「一番最初の内服開始時における避妊忘れ」です。一番最初のシートを使う時、最初の7日間は必ず他の避妊法と併せて避妊を行って下さい。ピルの避妊効果が確実になるには7日間必要とするので、避妊に注意しましょう
その他に考えられるのが、「下痢、嘔吐が続いているとき」「その他に飲んでいる薬があるとき」等です。この場合、OCを医師の指示通りに飲んでいても妊娠する可能性があります。
OCの成分は腸で吸収されて効果を発揮します。吐いたり下痢をしたりしていると腸からの吸収が悪くなり、効果が弱まります。下痢や嘔吐が続くようであれば、他の避妊方法との併用をお勧めします。
また、ある種の薬はOCの効果を弱めます。例えば、抗生物質(ペニシリン系・テトラサイクリン系)や抗てんかん薬(抗けいれん剤)の中にはOCの効果を減弱させるものがあります。また、うつ症状やストレスの改善目的で使用されるセイヨウオトギリソウ(セントジョンズワート)というハーブサプリメントもOCの効果を減弱させるといわれています。
一方、OCを内服することによって逆に薬の効果が増強されたり、減弱されたりするものもあります。副腎皮質ホルモン剤(ステロイド剤)や抗うつ薬は、OCによってその作用が増強することがあります。また、糖尿病を治療中の方は、OCによって糖尿病治療薬(血糖降下剤)の効果が低下することがあるので、十分な注意が必要です。
したがって、嘔吐や下痢が続く場合、他の薬を飲んでいる、または飲まなくてはならない場合は、必ず医師に相談、あるいは、他の避妊法を併用してください。
(末永産婦人科医院) 2008年12月10日 23:30 | 個別ページ
卵巣がんの検診について
卵巣がんは早期に発見されると予後は比較的良好なのですが、自覚症状に乏しく、約70%の方が進行してしまったがんで発見されるため、予後が悪い、つまり死亡率が高いと認識されているようです。
検診というものは、検査方法が簡単で、なおかつ信頼性が高いことが必要です。例えば、子宮頸がんにおける細胞診検査、乳がんにおけるマンモグラフィなどがこれにあたりますが、卵巣がんについてはいまだ確立した検診法がありません。しかし、婦人科での診察時に卵巣腫瘍が発見されることも多々ありますし、先ほどお話ししましたように、早期に発見された場合、予後が良好であることも多く、卵巣がんにかかるリスクが高い方は定期的な診察をおすすめします。
卵巣がんにかかる方は、年齢的には40歳代から70歳代にかけて、特に50歳代前半をピークにみられます。40歳以上になったら注意が必要ですが、40歳未満の方も全体の1割を占めておられます。
卵巣がんの中でも、その大半を占める上皮性の卵巣がんでは、「排卵」が関係していると考えられ、妊娠の経験がない方や、早くから生理が始まった方、遅くまで生理があった方などは卵巣がんにかかるリスクが高いとされています。
また、最近では、排卵誘発剤などを用いた不妊治療歴がある方もそのリスクが高いといわれています。また、血のつながったご家族に卵巣がんのいらっしゃる方は卵巣がんになる確率が高いため、定期的に婦人科での診察を受けていただきたいと考えます。
腫瘍が大きくなると、腹囲が増大し、下腹部の腫瘤感や圧迫感が出現することで、「最近スカートがきつくなって太った」と表現される方がおられます。また、下腹部にしこりを触れたり、膀胱が圧迫されることで、トイレが近くなる方や遠くなる方もおられます。そのほかには、腸が圧迫されることで便秘や腰痛、強い下腹部痛で発見されることもあります。
卵巣がんは典型的な自覚症状に乏しく、進行した状態で見つかることが多いとされていますが、早期に発見されると予後は良好とも考えられています。検診については未だ検討中でありますが、40歳を過ぎたら定期的に婦人科で診察を受けていただくことが早期発見につながると思われます。
(末永産婦人科医院) 2008年12月 8日 18:06 | 個別ページ

